「冨岡さんも次に車を買い替えるときには電気自動車EVですね」とホンダ代理店の営業マンに告げられたのが、一昨年の夏の事である。「そうなのか?」その時は漠然と感じていたが、最近ではその言葉が現実味をおびてきた。しかしEVが急速に普及し始めると、理想の車に見えていたEVにも様々な欠陥が露呈し始める。
特に冬場は零下20度にもなるとモターが始動しなくなることもあり、これでは豪雪地帯で車内に取り残された時などは命取りになることもある。それに暖房で車内を暖めるとヒーターに電力を使い走行距離が急減する。その他バッテリーの寿命が短い、下取り価格が安く充電時間も長いなど、まだ多くの課題が残っている。
そこで最近に注目され始めたのが水素自動車である。水素自動車には水素で発電する燃料電池車と、水素をガソリン車と同様に燃料として使う水素エンジン車の2種類ある。燃焼すると水になる水素自動車は、先行するEVと同様に将来エコカーとして普及する可能性が高い。特にトヨタ自動車はこれらの技術に優れており、世界的に注目される企業の一つだ。
「水素社会の実現にむけて!」環境省ではいま石炭や石油といった化石燃料からの脱却をめざし、水素をエネルギー源として使う脱炭素社会を目指している。しかし太陽光や風力発電で水素を作るには膨大な設備投資が必要だ。雨の多い日本は基本太陽光発電の効率が低いので、遠浅の海に設置する洋上風力発電が注目されている。
風力といえばその原点は子供の頃に遊んだカザグルマがある。四角い折り紙をカットして竹串を中央に通し、エンドウ豆で紙を留める。それを屋外で風上に向けるが、風がないと回らない。そこで風車を手で高くかざし走りだす・・・。風車は勢いよく回るが足元から目を離し、石につまずきスッテンコロリン!(当時ほとんどの道は砂利道で、梅雨時などは水たまりを避けながら歩いた。勝田陶人舎・冨岡伸一)