ギンギアナム

先日イスラエルで総選挙があり右派勢力が過半数を獲得して、現職のネタニヤフ氏が首相を続投することが決まった。この勝利の背景には選挙の数日前「トランプ大統領がイランを核開発テロリスト国家と呼び、イランの脅威をあおってネタニヤフ首相が有利になるよう口先介入した」とアメリカのメディアで報道された。その前からトランプ大統領は<イスラエルのパレスチナ自治区>ゴラン高原のイスラエル併合を認める発言をしたり、テル・アヴィブにあったアメリカ大使館をエルサレムに移すなど、パレスチナ人やアラブ人の反発を招く行為を繰り返している。そしてイラクからの米軍の撤退も決め、中東の混乱を再び招きいれようとしている感もある。

近年の原油掘削技術の飛躍的な進歩により、岩盤の間に潜むシェールオイルが簡単に掘り出せるようになった。するとアメリカ国内にはシェールオイルの埋蔵量が無尽蔵にあって原油の輸入国から、直ぐに世界一の産油国になった。自国だけでは消費しきれず輸出もしている。でも原油価格が40ドル割れをすると、シェールオイルの掘削は赤字になる。そのためわざわざ中東の緊張を煽ってイスラエルに肩入れし、原油価格を引き上げているようにも思える。埋蔵量の多いイランは経済制裁で少量しか原油の輸出ができない。最近混乱する南米の最大産油国ベネズエラも、かつては大量に原油を輸出していて外貨を稼ぎ豊かだったが、現在はアメリカからの制裁でこの国も原油の買い手が中国以外に無い。

湾岸諸国や産油国が混乱すれば原油価格が高騰し日本は困る。そこで「シンゾウの国になら同盟国なので原油を分けてやる!」トランプ大統領の意向で、なんとか日本はシェールオイルの供給を受けることが出来た・・・。なんてシナリオも今後おきることもある。イランとサウジアラビアの対立を煽ってホルムズ海峡はいつ封鎖されるか分からない。でもアメリカはもう派兵をしてまで中東の安定など望まない。日本の位置する東アジアでも貿易摩擦から米中の覇権争いに変わり、中国が強引にサンゴ礁を埋め立てた、人工島のある南シナ海のタンカー通過も気になる。「日本が貿易赤字国にもう何年も転落!」原因は高いシェールオイル代金支払いと、最新鋭のステルス戦闘機などのアメリカからの高額な兵器の購入のため!

日本人が真面目にコツコツ努力して性能の良い自動車などアメリカに輸出する。でも儲けた金はシェールオイルと平和なら必要ない武器で簡単に奪われる。こんなの絵空事おきなければよいと願う!写真は花器ののような植木鉢にギンギアナムという名の植物です。(千葉県八千代市勝田台。勝田陶人舎・冨岡伸一)

冷めたピザ

早いもので小渕恵三さんが内閣官房長官のときに掲げた平成の元号も、あっという間に30年が経過し、先日新天皇の即位とともに<令和>という元号にに決まった。最初発表された時には少し違和感を感じたが、なれてくればこの元号も悪くないと思い始めている。小渕恵三さんは根がおっとりした性格で、このころ全国的に出店し始めた宅配ピザにちなんで「冷めたピザ」とあだ名されていた。でも本人は「冷めたピザもまずくないよ」と別に気に留める様子もなく笑って答えた。元号は本家の中国でも清の時代には無くなり、今や世界でも元号が存在するのは日本だけだという。これも日本には神代の昔から皇室の存在があるからで、天皇を頂くことは日本国民の大いなる誇りでもある。

いま世界を見渡すと人口の多い強国でも、国家元首には独裁者の台頭が目立つ。一般人が成り上がって勢いで国家元首になると最初は理想を掲げ努力するが、時が経つと権力を集中させてやりたい放題になり、民衆を弾圧し人権を剥奪するようになる。そしてそれを維持するために後継者には自分の息のかかった者か、子孫ということになる。元首になると殆どの人がこの同じ行動を取るので、これは人種、民族を問わずこれは人類の性と考えたほうが良い。しかしわが国には皇位継承という制度が存続していて、国家元首は象徴であるがとりあえず天皇陛下御一人である。平成天皇、皇后様なども80歳をこえても激務をこなし、その対応の気品高く善良なお姿は、皇室制度の素晴らしさを今さらながら感じさせられる昨今である。

イギリスでは今EUからの離脱をめぐって賛否両論あり議会が混迷、国民投票では離脱が決定しているのに色々立場によって反対があるらしい。議会での時間をかけた議論や審議を眺めていると、民主主義という多数決による法律制定などには限界を感じる。イギリスも<ユナイテット・キングダム>という王国連合である。議会の意見がどうしてもまとまらない時など、エリザベス女王にお伺いをたてたらどうだろうか?女王が鶴の一声「離脱です」と明言すれば、国民も納得するのではないのか。これから時代の変化はどんどん速まる。もたもたしていると審議などしない即実行の独裁国家に潰される。日本も含めて今の議会制民主主義が理想の政治制度なのか?若干の疑問も残る。

今年もまたカラスノエンドウが庭に蔓を伸ばす。雑草と呼ぶには惜しい草。そっと皿に写生した。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

生タマゴ

先日テレビを見ていると「最近日本のタマゴが海外で人気があり、輸出がふえている」というニュースを見た。日本に観光でやって来た外国人がタマゴかけご飯などで、生タマゴの旨さを知り自国に帰り広めているという。しかし海外では生タマゴを食べる習慣がなく管理がずさんで、生で食べるとサルモネラ菌などにより食中毒をおこしやすい。多様に生食文化の進んだ日本では魚を始め食品の衛生管理が厳しい。タマゴも同様で洗浄や殺菌などの徹底で、生で食べても食中毒など起こすことはない。そのため日本産は安心だという認識が海外で高まっている。「待って、鍋の中にタマゴ入れちゃだめ!」と仲居さんが静止するも、「後の祭り」すき焼きがタマゴトジになっちゃった。生卵を食べる文化の無い中国人観光客が浅草のすき焼き店にくると、説明する間もなくこれをするという。

そんな中国では今だに田舎に行くと、ニワトリと一緒に人が生活している。でも我々が子供の頃の日本もそうだった。よくニワトリを追い回し遊んでいた。しかしこのニワトリとの共同生活は超危険!最近流行の鳥インフルエンザに同居のニワトリが感染し、次にそれが人に感染することもある。新型のインフルエンザが瞬く間に拡散し、ワクチンを開発する前に世界的に大流行になるとパンデミックを起こす。こうなったらもうアウト、抵抗力の弱いたくさんの人達が死ぬ。そのため日本の鶏舎では餌を狙って侵入する、感染源である野鳥との接触を完全に遮断している。でも最近中国からの新型インフルエンザの話。急に聞かなくなった。かの国も庶民の生活が向上しニワトリとの同居が減ってきたのか?

話は飛ぶが、そういえばむかし半分に割ったタマゴの殻を、花壇の周りに伏せて並べていたのをよく目にした。あれは何のためにやっていたのか疑問だ?肥料にしたのか、または単なる飾りだったのか?それとも我が町内会だけのハヤリだったのか?勉強もせずにこんなクダラナイことはよく憶えている。疑問に思ったので早速ネットで調べてみた。すると答えはタマゴの殻は炭酸カルシウムで土壌の改良剤、酸性の土壌をアルカリ性に変えるそうでタマゴの殻で作った土壌改良剤もあるという。われわれの親の世代は何でもゴミとせずよく利用した。日本では人口が減って憂いているが、世界では爆発的に増えている。火山の大爆発、隕石の衝突、温暖化などにより何時飢餓がやってくるか分からない。

一月ほどまえ市ヶ谷にある<月>という名の居酒屋さんの依頼で作った徳利が出来上がりました。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

ベッコウ飴

昨日(民事訴訟最後通達書)なるウスッペラな葉書がポストに舞い込んだ。中身を読むと要は契約があった企業や団体から契約不履行により、訴状が提出されてあなたの民事裁判が開始される。期日は本日までで至急相談窓口まで連絡くださいとのことだ。「詐欺のハガキか!」ついにわが家にも舞い込んだ。でも考えて見れば、こんなハガキをわざわざ投函する郵便職員も郵便職員だ・・・!「重要な連絡は必ず封書にしてね」と念を押された。かつて住んでいたイタリアの郵便配達人のようにハガキは内容を適当にチェックして、クダラナイものは配達がめんどうなので廃棄するくらいの気を利かせたらどうだ。日本人は杓子定規で、いかにも怪しいハガキまで律儀に届ける。

これからの高齢化社会、判断の衰えた高齢者所帯には登録すれば、電話のように怪しい郵便物などブロックする制度なども導入してみてはどうだろうか?危険という危の字の赤いハンコでも、ペッタリンコン押して届けてくれると分かりやすくて有難い。銀行だって振り込め詐欺の送金にはチェック体制がある。でもこんなこと書けば「自己責任でどうぞ!」などハヤリの個人情報保護云々の批判も起きる。「自分は絶対に詐欺などに騙されない」と今はまだ確信がある。しかし老いとは正常な判断ができなくなることでもある。アクセルとブレーキ踏み間違えて大事故を起こした!若い人には考えられない、この手の高齢者による自動車事故はとても多い。二択だから単純で間違えやすいのだ。

「子供ダマシ」という言葉があるが、むかしはダイの大人が子供の小遣いを狙い騙し取ることも度々あった。特に神社での祭りの開催日、どこからやって来たのか寅さん風のいかがわしい男が、陣取りブツを並べる。「おーすげー!本当に指の骨が透けて見えるぞ」「どれどれ俺にも見せろ。おー!」サクラがアイヅチをうつ。私も促され小さな小箱の穴から覗き自分の手を見ると、確かに骨が透けて見えるような気がする。「50円か!」ちょっと高いが今日は祭りなので親から100円貰ってきた。皆が買うので私もつられた。しかし家に帰りよく見ると何かおかしい。どこを見ても骨らしき物が見える。思い切って箱を壊すと中から出てきたのは、ニワトリの白い羽一枚。ちきしょう!また騙された。

でもベッコウ飴などを舐め舐め巡る祭りの出店は、子供達の大きな楽しみでもあった。写真は変形の植木鉢です。

(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

ホアグラ

先日カルロス・ゴーン氏が東京拘置箸所から仮出所をしてきた。やつれたその表情を眺めていると、強健を発動しバッタバッタと日産の従業員を情け容赦なく、解雇していった恐もての社長という面影は感じられない。思い返せば確かに20年前、日産は倒産の危機にあった。労組も強く合理化できないその企業体質は変革を望まず、ぬるま湯につかってジリジリとトヨタを初め他の自動車会社に、水をあけられて行った。日産の企業改革など絶対に難しい!日本の他の自動車会社が合併などを見送る中、手を上げたのが格下のフランス自動車会社ルノーである。自分よりも大きい企業を丸呑みする形での合併は、当初非常に危惧されたがゴーン氏がルノーから送り込まれて、徹底したコストカットにより結果見事に日産は甦る。

昔から日本人の企業経営は家族的。一度社員になると温情主義の感情が先立ちなかなか解雇など出来ない。そこでズルズルと合理化の時期を失い赤字のたれ流しとなる。確かにゴーン氏の社長就任時の非情な大ナタでのコストカットは見事であった。バッタバッタと社員の首を切る<人斬り仁蔵>かカルロス・ゴーンか?当時は景気も悪く就職氷河期で解雇された多くの従業員が路頭に迷った。でも彼はそれを敢行し会社はよみがえる。元社員も会社再生のためならと去って行った人も多い。そもそも日立系の日産は<技術の日産>と呼ばれその水準は非常に高かったのだ。急激なⅤ字回復は技術革新や卓越したマネージメント力ではなく、あくまでも人を殺して食いブチを減らしただけこと!ただこれだけで日産は直ぐによみがえる。

私が彼に腹立たしさを感じるのは、ゴーン氏が誰のために人を斬って利益を捻出したかだ。会社が儲かり始めると、本当は従業員や株主に還元すべき利益を自分のポケットに捻じ込み始める。通常のポケットでは足りないので服の裏など、急ごしらえであちこちポケットを縫い付ける。でもだんだん不自然に服が膨らんで、外からでもはっきりと確認できるようになった!その結果が今回の社内告発につながる。「ふざけんな、俺は誰のために泣く泣く会社を去ったのだ。愛社のためでなく、ゴーンの成り上がり貴族生活を支えるためだったのか!」解雇された元社員の怒りの声が聞こえてくる。プライベートでの彼のベルサイユ宮殿を貸しきっての晩餐会、どんなホアグラのフランス料理が振舞われたのだろう?「皆さん存分に楽しんでください。どうせ金は日産にいくらでも出させますから」

いま各国でこのゴーン氏のようなグローバルで活躍する、無国籍型拝金主義者の投資家や経営者が多く登場している。彼らは金になればどこにでも行き何でもやる。ところで工房の屋根の上のサクラが満開です!(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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