アヒルは野生の真鴨を、家禽にしたものなので、今日はちょっとアヒルの話をする。かって仕事で、たびたび台湾を訪れたことがあった。仕事の後は、必ず高級中国料理店での夕食の接待を受けるのだが、あちらの乾杯が大変。円卓を囲んで十人程が着席していると、「冨岡さん。乾杯」あちらの発音ではカンペイというが、いろいろな人から乾杯の指名をうける。

そのつど指名を受けた人に顔をむけ会釈をし、両手で持った紹興酒のグラスを上げて杯を見せあい、いっきに呑み。グラスを空にしなければならない。台湾人の言う乾杯は読んでのとうり、杯を空にするという意味。空にしないと失礼に当たる。「俺の酒が飲めねえのか」とね。また指名を受けた人には、こちらからも指名をしないと、これまた失礼。そんなことで、いちいちまともに乾杯の指名を受けていたら、酒の弱くない私でも大変なことになる。でもこれは以前の話で、現在もそうなのかは定かではない。

このような中国料理の宴会に必ず登場するのが、北京ダックだ。丸ごと一羽の北京ダックを料理人が運んで来て、皆の前で手馴れた手つきで、その皮を削いでいく。それを各自に取り分け、薄餅にネギと一緒に包んで食べるのだが、確かに美味である。

そしてきれいに、皮を剥ぎ取ると身の部分は必ず下げていく。なんで身は食べないいの?俺、身の部分も食べてみたいんだけど、美味そうじゃん。この後いつも疑問が残る。北京ダックの、あの身は一体どうなるのか?まさかそのまま捨てるのではなかろう。まかないで使うのか?他の料理に使うのか?でも、中華料理でアヒルの肉の料理など聞いた事がない。よっぽどまずいのか、うまいのか?日本の中華料理店でも同じ。

合鴨はときどき食べるが、けっこう美味い。いちど北京ダックの身の部分を食べてみたい。ぜったいに美味いはずだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

© 2024 冨岡陶芸工房 勝田陶人舎