春も本番となりいよいよ筍のシーズンである。竹かんむりに旬と書く筍はまさに旬の料理の代表でもある。毎年この時期になると我が家でも竹の子はよく食べる。しかし去年は不作で竹の子が食卓に一度も上がらなかった。今年は豊作なのか、竹の子の登場が例年より早く、先週もう竹の子料理をたべた。竹の子はなぜか人から頂くことが多い。いつも最初に人から頂く竹の子は大変ありがたいが、だんだんにそのありがたみ軽減していく。4,5回目にもなると湯がくのも大変なので、もらってもその辺に放ったらかしになる。

以前、浅草寺裏の小料理屋の前を通ると、店先で皮付きの竹の子を丸ごと七輪で焼いている。「あれ、竹の子って焼いて食べるの?」始めて見た光景だった。その匂いにつられて「珍しいから、試してみるか」と友人が言うので、店に入ってみることにした。さっそく竹の子焼きをオーダーしたが、焼いている時の匂いほどは旨くない。「なんだ、この程度か!」結局この店の惣菜は、そのほか何を食べてもあまり旨くなかった。それから後日に何度かこの店の前を通ったが、このシーズンいつも店先で竹の子を夕方焼いている。竹の子焼きは香りで客を釣る道具だったのか?我々のように匂いにつられる単純な奴も、結構世の中にはいるのであろう。

子供の頃、母親が竹の子を買ってくると非常に嬉しかった。竹の子ご飯や料理でなく、竹の子の皮が目当てだ!竹の子の芯に近い柔らかな皮を探し、梅干しを入れて皮で包む。そしてそれを角の隙間から「チュウ、チュウ」吸うと梅干しが少しずつ出てくる。竹の香りもしてこれが結構いけるのだ。最後に梅干しの浸み込んだ竹の皮をかじると、一個の梅でも長く楽しめた。今ではこんな食べ方はほとんど忘れられたが、竹の子を見ると思い出す。むかしの梅干は塩分が多く塩辛かった。そこで弁当には梅干を一個ご飯の真ん中入れると腐りにくく、その塩気でご飯も進んだ。

写真の皿に竹の子の煮物を盛り、山椒の葉をトッピング、グッド?(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)

 

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