タニシ

「うひょー、タニシがたくさんいる!」むかし子供の頃、田んぼの水を覗くとタニシがたくさんいた。でもあのタニシ今でも田んぼにいるのか?最近では田んぼをまじまじ見る機会もないので全く分からない。水苔の付着した汚いタニシが食用になるという話を聞いたことがある。以前私が尊敬する北大路魯山人は子供の頃、生活が非常に貧しく食べるものがないので、田んぼで簡単に取れるタニシを捕食してたという。その結果ジストマ肝吸虫に犯され、晩年肝硬変で死亡したと聞く。彼のタニシに対するこだわりは非常に強い!美食倶楽部の星が丘茶寮を開設した時にも、一流の食通を相手にタニシの料理を提供した。「いくらなんでもタニシかよ!」一部の客はこの食材に腹を立てたとか?

裸足でかまわず沼や田んぼに侵入していくと、稀にチスイヒルに足から血を吸われることがあった。でも痛くも痒くもないのに皮膚から血が流れ出て気づいた・・・。ところでこのヒルだが父親の話によると、昔は肩こりの治療に使われていたという。私は祖母を直接知らないが、祖母は体が大きく体重が20貫(80キロ)程もあったと聞く。そして祖母はそのとうじ肩こりがひどくなると、近所にいた今で言う整体士を呼んだが、この整体士の治療法が真に変わっていた。なんと肩こりのする部分にヒルを置き血をすわせるのだという。そして血を吸ったヒルは丸くなって肩から自然にポロッと落ちる。よどんだ血を抜くと肩は軽くなると言っていたとか。こんな不思議な治療法も昔はあったようだ。

子供の頃は自然ともっと隣りあわせで生活していので、身近な動植物を上手く利用していた。たとえば蜂にも頻繁に刺される。すると痛みをこらえながら直ぐに朝顔の葉を捜す。そして引きちぎった葉を手でもみ、出てきた汁を患部に塗ると痛みがじきにおさまる・・・。でもこんな知恵今の子供にはない。だいたい外で遊ばないので蜂に刺された経験もないのでは?良いのか悪いのかよくわからない。昔は遊んでいて打撲をしてもつける薬もないので「ちちん、ぷいぷい!痛いの痛いのとんで行けー!」などとおまじないを言ってごまかすだけで、暫くすると痛みも忘れてまた遊びだし、よほどのことがないと医者などに行かなかった。

工房近くの手打ち蕎麦屋には(春華、秋実)という魯山人の書いた額が、店の和室のカモイの上に掲げられている。「なるほどねー!」いかにも食にこだわった魯山人らしい言葉だ・・・。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

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