冷めたピザ

早いもので小渕恵三さんが内閣官房長官のときに掲げた平成の元号も、あっという間に30年が経過し、先日新天皇の即位とともに<令和>という元号にに決まった。最初発表された時には少し違和感を感じたが、なれてくればこの元号も悪くないと思い始めている。小渕恵三さんは根がおっとりした性格で、このころ全国的に出店し始めた宅配ピザにちなんで「冷めたピザ」とあだ名されていた。でも本人は「冷めたピザもまずくないよ」と別に気に留める様子もなく笑って答えた。元号は本家の中国でも清の時代には無くなり、今や世界でも元号が存在するのは日本だけだという。これも日本には神代の昔から皇室の存在があるからで、天皇を頂くことは日本国民の大いなる誇りでもある。

いま世界を見渡すと人口の多い強国でも、国家元首には独裁者の台頭が目立つ。一般人が成り上がって勢いで国家元首になると最初は理想を掲げ努力するが、時が経つと権力を集中させてやりたい放題になり、民衆を弾圧し人権を剥奪するようになる。そしてそれを維持するために後継者には自分の息のかかった者か、子孫ということになる。元首になると殆どの人がこの同じ行動を取るので、これは人種、民族を問わずこれは人類の性と考えたほうが良い。しかしわが国には皇位継承という制度が存続していて、国家元首は象徴であるがとりあえず天皇陛下御一人である。平成天皇、皇后様なども80歳をこえても激務をこなし、その対応の気品高く善良なお姿は、皇室制度の素晴らしさを今さらながら感じさせられる昨今である。

イギリスでは今EUからの離脱をめぐって賛否両論あり議会が混迷、国民投票では離脱が決定しているのに色々立場によって反対があるらしい。議会での時間をかけた議論や審議を眺めていると、民主主義という多数決による法律制定などには限界を感じる。イギリスも<ユナイテット・キングダム>という王国連合である。議会の意見がどうしてもまとまらない時など、エリザベス女王にお伺いをたてたらどうだろうか?女王が鶴の一声「離脱です」と明言すれば、国民も納得するのではないのか。これから時代の変化はどんどん速まる。もたもたしていると審議などしない即実行の独裁国家に潰される。日本も含めて今の議会制民主主義が理想の政治制度なのか?若干の疑問も残る。

今年もまたカラスノエンドウが庭に蔓を伸ばす。雑草と呼ぶには惜しい草。そっと皿に写生した。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

© 2024 冨岡陶芸工房 勝田陶人舎