ヴィトン

1970年代の初めの頃だったと思う。友人の奥さんに自慢げに見せられたバックがある。ナイロンレザーの茶色地で日本の家紋のような模様が印刷されている、例のあれである。最初に見た時「何でそんなにこれが良いのか?」全く分からなかった。

しかし70年代も後半になると、徐々に街中でヴィトンを持つ人を見かけるようになる。そしてこのころヨーロッパ出張に行くと必ず「ヴィトンを買ってきてね」と頼まれるようになったが、当時パリのヴィトンの店に入るとそれでもまだ日本人の姿は少なかった。それが80年代になり欧州旅行が盛んになるとパリ土産の定番となる。しだいに店は日本人で混雑するようになり、一人でいくつも爆買いするるので日本に来る中国人のように、しだいに迷惑がられるようになった。

それで「そんなに売れるなら日本に出店してみたら」ということで、一流百貨店の中にテナントで店を出す。そして80年代後半のバブル期、ヴィトンをはじめ海外ブランドバックは全盛期になっていくが、バブルもはじけ長い景気後退期になると、徐々にヴィトンのバックを持つ女性を前ほど見かけなくなった。あきられたのか?高いから買わなくなったのか?このようにヴィトンのバックは一世代前にはパリみやげの代表でもあった。

最近、ヨーロッパ旅行に行っても自慢げに話題にすることもなくなった。それより「どこか良い温泉ない?」日本人の内向き指向も気になる。

写真のハンドバックは、陶器で作った花瓶です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です