トリス

日韓関係の悪化により最近韓国では日本製品の不買運動が盛り上がっている。でも家庭で飲むビールは相変わらずスーパードライなど日本製を選んでいたという。ところが先月8月には急に95パーセントも日本製ビールの輸入量が減った。でも海外ではいま日本メーカーのビールが熱い!インバウンドで来日し、日本のビールの味の旨さを知った外国人が帰国するとそのままファンになる。確かに日本のビールは昔からすると旨くなった。たまにレストランなどでバドワイザーやハイネケンなど外国製のビールを飲むこともあるが、どうもしっくりこない。味に個性はあるのだが深みがないというか、キャラクターがどうしても前に出る。これはたぶん和を尊ぶ日本人は味にも個性でなく調和を求めるためなのか?

ビールといえば私が大学生の頃たまたま親友が群馬県館林高校の出身で、そのクラス会に飛び入り参加した時の酒の飲み方が凄かった。当時は焼酎よりもウィスキーがブームで学生の飲む酒といえば、ビールに安いサントリーのトリスかレッドと燗酒のチャンポンで悪酔い三羽ガラス。これらをマルクス主義賛否の激論を交わしながらガブ飲みし、そのあと皆で校歌や同期の桜などの軍歌まで歌いだした。「とんでもない所へ紛れ込んだ!」と思うも後の祭りで、飲みすぎて意識朦朧フラフラと窓の開いた手すりに寄りかかると、そのまま階下の中庭に嘔吐した。会場がクラスメートの旅館であったので、そのまま朝までそこに倒れ込んでいた。当時館林は私の住む市川とは違い田舎で、まだ旧制高校のバンカラ校風が残り、良くも悪くも国定忠治の上州気質濃い土地柄であった。

「日本のウィスキーにもこんな値段が付くのか?」先日サントリーの年代物ウィスキーに海外で百万円以上の値段が付いたという記事を見た。むかし日本のウィスキーといえばスコッチウィスキーの代用品で、味わうためでなく酔っ払う手段としての酒という役割をになっていた。「そういえば最近サントリーウィスキーのテレビコマーシャルを殆んど目にしなくなった。」かつて巨人軍のナイター中継ではトリスのピカソ顔の西部劇風アニメコマーシャルが多く流されていたが、野球中継と共にお茶の間から消えて久しい・・・。今では山崎や白州などサントリーの高給ウィスキーは人気があり、品不足が常態化している。ブランド力が付けば宣伝などせずとも酒は売れるのだ。

サントリーといえばコマーシャルの上手さでは定評があった。「コン、コン、コン、チコン、コ、コッコン・・・!」あの、サミー・デイビス・ジュニアのウィスキーのコマーシャルは記憶に残る。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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