ゴーン

この年の瀬に驚くようなニュースがいきなり飛び込んできた。あの前日産社長カルロス・ゴーンが国外逃亡したという。まさか出入国管理の厳しい日本で、空港から国外逃亡など出来るのか疑問を感じた。しかしニュースによると年末でなんとなく気が緩んでいる時期をねらい、Ⅹ線ゲートが通れない大きな箱の中に身を隠し、関西空港からプライベートジェットでの逃亡だという。この計画は数ヶ月も前から、彼と元グリーンベレーの兵士らとで謀議されたらしい。地方空港の管理状況を丹念に調べ上げ、綿密に調査してからの犯行だったという。事前にこのことを考慮した検察は15億円もの金を積ませての保釈だったが、100億以上の不正所得を受けていた彼にはハシタ金!没収されても痛くもかゆくも無い額である。

この計画には冷たい目つきの、あの弘中弁護士が加担していたかどうかは知らぬが強引に保釈請求した結果、このような事態を招いた彼の責任も重いのではないかと思う。マスコミの質問に「話す事など何もない」と憮然とした表情で白を切るが、「お前の責任だろう!」このまま立ち消えでは庶民感覚としては面白くない。無罪請負人と呼ばれた弘中氏だが、彼の弁護士資格など没収したほうが良いのではと思う。なぜGPSなど所在のわかる機器を装着させなかったのか?今となっては色々な意見も飛び交うが後の祭りである。でも逃亡先が混乱状態のレバノンという国家では彼の身柄請求も難しいらしい。レバノンにはODAによる資金援助を我が国は行なっている。犯罪者を日本に送還しないのなら、直ちに援助などやめるべきだ。

しかし彼のパラダイス!レバノンも決して安住の地ではない。レバノンには隣国のイスラエルに自国民が入国すると、厳罰になるという法律があるらしい。彼は日産の社長時代にイスラエルに入国しているという記録がある。フランス国籍も所有している二重国籍の彼は、フランス人として入国したのだと主張する。しかし現地の弁護士数人が彼を裁判にかける準備を始めているという。また今レバノンでは市民が汚職まみれの政府を弾劾するデモが巻き起こっている。不正蓄財のゴーンも非難の対象になる可能性もある。フランスなど先進国から日本の司法は遅れているとの指摘も上がるが、でも欧米と同じにする必要もないし、だから日本の安全と秩序が担保されている。

ところで韓国からの観光客が大幅に減少していると聞く。しかし全体の統計ではアジアや欧米からの客が激増して、京都では市民生活にも支障が出ている。国のルールや法律を遵守すること、これが入国の最低条件であることはどの国でも変わらない。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

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