茶飲み話・白樺

「将来自分が家を建てたら庭には芝生を敷き詰め、白樺の木を植えたい」などとわれわれ戦後世代なら、一度は思い描いたことがあると思う。関東地方の平野部に住んでいると寒冷地を好む白樺の木など、ほとんど拝む機会がない。そこで白樺の白い肌に北欧のロマンを感じ、自宅の庭に植えたいと望む人が多くいた。縁あって私が20代に借りていた新興住宅地に建つ姉さんの自宅の庭も、まさにそんな作りになっていた。

しかし白樺の木は熱さには弱いようで、新興住宅地のそこかしこに植えられた白樺は時の経過とともに枯れ、姿を消していった。芝生の庭も同様に芝刈り機を押す手が面倒に感じると、剥がされて手入れの不要なコンクリで固められる。前回も書いたが最近の新築住宅には樹木が植えられないので、将来剪定をする植木職人の仕事もなくなる。実際に夫婦共働きならば、草木に心を寄せる暇も惜しい。

「どこまでも続く白樺林、もう三日目だ!」50年以上も前、私がシベリヤ経由でヨーロッパに旅行した時、モスクワからウィーンまでは三泊四日で鉄道を利用した。ところがモスクワを出発してしばらくすると、白樺が一面群生する森に進入して行った。ちょうど五月の新緑のシーズンで緑の葉の芽吹きと白い幹のコントラストは美しく、しばらくは車窓の景色を楽しんでいた。ところがどこまで続くおなじ光景に、時間も場所の感覚も完全に麻痺する。

ロシアは国土が本当に広い!日本ではおなじ景色が数時間続くことさえないのに、あちらは数日単位で続く。そのとき私がたどったルートはモスクワからベラルーシを通り、ワルシャワに至る路線である。今戦火を交えるウクライナ穀倉地帯より北側なので、広大な穀倉地帯を直接目にしたわけではない。しかしその広さは理解できる。あんなに手付かずの広大な領土を持ちながらまだ他国の土地を強奪するプーチン・ロシアにはあきれるしかない。

「いよいよロシアの核使用も現実味をおびてきた!」2月からはじまったウクライナ戦争も最近ではロシアには不利な戦況である。追い詰められたプーチンが核のボタンを押せばヨーロッパは悲惨なことになる。なんとなく遠い国の出来事とたかをくくる日本人も、ロシアとは国境を接する・・・。ロシア人は本当に土地に対して強欲な人達だ。あの白樺林開墾して畑にしろよ!(写真・7年前の作品です。勝田陶人舎・冨岡伸一)

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