茶飲み話・SP500

 

「陶芸家のブログなのに、何で最近は経済の話題が多いの?」と先日妻から指摘された。「確かにその通りだ」。でも混乱する世界情勢下で、のんびりと作陶だけに専念するわけにもいかないのだ。世の中のトレンドを追い続け、未来予測などが好きな私はそもそも平凡な日常を好まない。いつも新しい話題など探しネットサーフィンしている。

私は経済学部出身なので、若い時から経済については色々興味を持っていた。特に父親の影響もあり、楽して金が儲かりそうな投資家になるのも悪くない!などと勝手に思いを巡らす。そして経済的に余裕の出始めた30代から株式投資を始めて、ある程度の額を貯めた頃、あのバブル崩壊がやってくる。そして友人の勧めに乗り、ゴルフ会員権買って1400万円ほどを溶かした。

でもこれは私だけでなく、同世代の多くが経験した事案だ。そしてそのご日本は長いデフレの時代へと続き、安倍政権の誕生まで株式市場は低迷する。その間、投資に懲りた日本人の多くは金利が付かずとも銀行預金で虎の子を守った。なんとその額は現在2000兆円という膨大な金額なのだ!そこで滞留するこのマネーに目を付けたのがアメリカで岸田首相をそそのかし、ニーサ枠拡大でアメリカ株を買わせる戦略に出てきた。

「SP500などいかがでしょう!」いま証券会社に行って新ニーサ口座を開設すれば、まず薦められるのが米株やこの米株投資信託である。確かにSP500は20年間上が続けているが既に割高である。高いところを素人の日本人に買わせ彼らは逃げるつもりかも?有名な投資家バッフェットなどは最近米株を売却し、日本株を買い暴落に備えている。

そうして株式投資では個人の8割がいつも損をする。彼らはブームになった高い時に買い。暴落したとき怖くなって売る。日本が成熟社会から少子化などで衰退している現在、一般的には実所得は増えない。代わりに年金など社会負担費は増加するばかりだ。すると皆さんこれから藁をもつかむ気持ちで株式投資などに向かうと思う。(でも困ったことにインフレや円安で最も怖いのは株ではなく、目減りし続ける現金かもしれない。勝田陶人舎冨岡伸一)

 

 

 

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