茶飲み話・金塊

 

最近中国では政府も民間も金購入に走っている。原因は不動産価格や中国株の大幅下落、そしてまた人民元安などがある。中国人の視点では財産を現金で所有すると価値がどんどん目減りするので、世界的に価格の安定しているゴールドに心を奪われる。以前は中高年がゴールドを買いあさったが最近は若者が多いとか?そのため金は品不足になり、中国の国内金価格は国際価格より1割ほど高い。

「あれ、何じゃこれは!」とぶったまげ。近年の金価格上昇に気をよくした中国人達が以前に買って隠匿していた金塊を久しぶりに取り出すと、なんと変色しているという。驚いて削り中身を調べると、なんと鉛に金メッキを施したものらしい。慌てて買った業者に詰問するが知らぬ存ぜぬの一点張りで、ラチが明かないという。かの国は騙される方が悪いのだ。

でもこの金塊には政府が本物と証明する印鑑が押されている。でもこの程度の話なら役所の担当者に賄賂を渡せば済む話だそうだ。金塊などあまり手にしたことのない人は金と鉛の重量差など分かるわけがない。この手の詐欺は日本でも時々起こるが、中国のそれは規模が大きく社会問題になっている。金の現物購入は多少高くても、田中貴金属、徳力本店、三菱マテリアルなど信頼のおける業者を選びたい。

そこで騙されぬよう各金属の比重を調べてみよう。まず金は非常に重いので鉄に金メッキを施してもすぐにバレる。すると比較的安価で重い鉛が使われる。しかしタングステンに金メッキを施せば比重がほとんど同じなので分かりにくいのだ。各金属の比重は以下の通りである。金19,32、銀10,49,鉄7,87,銅8,93、鉛11,36,タングステン19,3,一番重いプラチナは21,45もある。

そもそもゴールドが注目されるなど、ろくな時代ではない証拠だ。ゴールドは戦争や金融危機が大好きなのだ!これから世界が混乱し続ける限りはゴールドは買われる。でも今後世界が平和に向かえばゴールドは売りだ!しかしそんな日が近未来に来るのですかねえ?とりあえずは札束握っているより、ゴールドの方がましな気がする・・・。(世の中が乱れれば、闇夜に金はピカピカ輝く。勝田陶人舎冨岡伸一)

 

 

 

© 2024 冨岡陶芸工房 勝田陶人舎