茶飲み話・ジパング

 

「ついに超えてきましたね、念願だった2100ドルの壁を!」ここ数年どうしても超えられなかった金1トロイオンス2100ドルの分厚い壁をついにぶち壊した。今までマスコミでは金価格の上昇が報道されてきたが、あれは円安で円建て金価格が押し上げられただけで、ドルだて金価格はあまり上昇しなかった。こうなると巨大な鯨が動きだすかも?

そもそも貯金が大好きな日本人はゴールドや株式投資などは殆どしない。そこで日本人が東京市場で金を購入しても、金の国際価格はさほど動かない。驚くことにニューヨーク市場と比べるとその規模は小さく、100分の1程度である。一方アメリカ人は金融資産の9割は株とゴールドで所有する。彼らは現金は目減りするので、必要な時に株を売ればよいという考えだ。

いまアメリカ株は暴騰中で、暴落の危険性もはらんでいる。そこで一部の臆病な資金はゴールド買いにはしる。そしてその動きが全体に波及し、眠っていた怪物が動き出せば暴騰・暴落の大きな波乱要因になる。ゴールドウォッチャーの私としては刺激的で、加齢による腰痛なども忘れられるかも?しかしまだ米金利は下げないのに、こんなに早く金価格が動き出すとは予想外だった。

最近の統計によると金の採掘原価はどんどん上昇している。人権費の上昇や設備投資など要因は様々だが、一番の原因は採掘する土砂の中に含まれる金の含有量の減少である。以前は1トンの土砂の中に含まれる金の量が2グラムであったが今ではたったの1、3グラムである。そこで現在は金の現物が高くても、ニューモントやバリックなど金鉱山会社は利益が出ない。採算に合う金鉱脈は年々枯渇している。

日本はむかし黄金の国ジパングであった。それが今では全てを掘りつくし殆どゼロ!そのうえ国家も個人もドルや円の紙幣を貯めこみ、ゴールドを所有しない。さらに円建て金が上昇すると個人は喜んで金庫に眠るゴールドを売却し現金に換える。そしてそのゴールドは海外へと流れる・・・。もしドルを刷りすぎたアメリカが財政破綻すれば、日本が蓄える紙切れ米国債など泡と消える!(今後現金の価値などインフレで目減りするばかりです。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

 

 

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