むかし日本各地に点在していた鉱山も、今では唯一操業を続けているのは鹿児島県菱刈にある住友金属鉱山のみになった。ここでは現在でも金を採掘し、その量は年間で4,5トンだが1トンの金価格が現在150億なのでそこそこの金額になる。比重の重い金は地中深くマグマに存在し。火山によって噴き出す溶岩や温泉の湯に溶けて地上に運ばれるので、火山国日本はかつては多くの金が産出した。しかし現在ではほとんど堀りつくし、唯一菱刈鉱山のみが現存している。
「ここまで金価格が高騰すれば金鉱山会社はさぞ儲かっているはずだ!」と思うが実際にはそうでもない。それは人件費や電気代を始め採掘コストの上昇と、掘り出す土砂に含まれる金の量の減少などがある。最近までのように金価格が年間10パーセントや20パーセント程度の上昇率ではたいして儲からないのである。しかし今年のように年間40パーセントも上がり続ければ話は違ってくる。
もしどこかで金価格がもっと急騰すると鉱山会社の株は金価格以上に上昇するのでギャンブル好きには魅力的だ。でも鉱山会社は倒産することもあるので、欲かいてオケラになる事もある。しかしアメリカ株式市場には世界の鉱山会社にまとめて投資するインデックス・GDXというETFもあるので、一獲千金を夢見る輩にはよいかもね。(捕らぬ狸の皮算用)
何を言いたいかというと、もし今の金価格が割高なら海外の鉱山会社がウハウハで株価急騰してなければおかしい。それが金価格は上がるが鉱山会社は利益が薄く停滞したままである。日本に住んでいると分からないが、今は世界的に高インフレで全ての生産コストも上昇している。そのため金価格も押し上げられて値上がりし続けているだけだ。決して金価格のみが上昇しているわけではない。
もういい加減に世界の中央銀行が輪転機の速度を上げ紙幣を増刷して、福祉や減税などで多額の金をバラまくのを抑えて欲しい。このままいけばどこの国でもハイパーインフレになり、通貨価値は減り困るのは我ら年金族である。でもこのような話はマスコミでは大きく報道しないので私が代弁している・・・。(今年最後の投稿になります。本年もお世話になりました。来年も茶飲み話、退屈しのぎにお付き合いください。勝田陶人舎・冨岡伸一)