毎年正月になると、北国の便りとして届くのが秋田県男鹿半島に残る伝統行事としての「ナマハゲ」である。この風習は昔は小正月に行なわれていたそうで、新年を迎えるにあたり、無病息災を願う民の災いを祓うために、神の使いとして各戸を訪れてお清めをするという。もともとはナマハゲは来訪神であり、鬼ではなかったというが、近年では鬼の面を被り太鼓を打ち鳴らすなど、新たな芸能としての変化もみられる。私は東北の日本海側に突き出た男鹿半島にこの風習が根付いたのは、実際にむかし対岸のロシアから、漂流し流れ着いた赤ら顔の白人系の大男がいたのではないかと思っている。彼らと初めて出会えばどう見ても鬼か神にしか見えない。
「神様がやってきた!」の声に村人達は騒然とする。15世紀にコロンブスが大航海のすえ西インド諸島に上陸すると、住民は始めてみる金髪碧眼のヨーロッパ人に驚き!神様が来たと勝手に思い込んでしまう。そして村をあげて手厚くもてなすが実際には彼らは野蛮な鬼で、そのご行なった彼らの蛮行により、インカなどの新大陸の文明文化はことごとく根絶やしにされてしまう。新大陸の原住民の多くが現在では征服された白人との混血である。そこで「秋田美人」と称され、色白の美女が多い秋田も、ロシア人の血が混ざっているのでは?と勝手に妄想している・・・。話は飛んだが、ウィルスなどの眼に見えない災いは現在でも神仏にすがるしかない部分もある。たった一瞬の気の緩みが命取りになる現在である!ナマハゲを呼んで、お払いでもしてもらいたい。
子供の頃は正月になると各戸に「獅子舞」がやってきた。真っ赤な獅子頭に緑と白の唐草模様の布を被り、家々の玄関先でパクパクくちを開けて舞い、災いを祓って歩く。料金は30円程度でも、たった数十秒のパフォーマンスなので稼ぎは悪くないと思っていた。当時の民家の玄関は殆んどが引き戸で、ガラガラと戸を開け家主に断りも無く勝手に進入してくる。金を渡さないと退散しない半ば押し売りまがいの人もいて、次第に相手にされなくなる。家の立替も進み防犯上簡単に玄関に入れなくなると、いつしか見かけなくなった。呼び鈴を押し「獅子舞です」と名乗れば、施錠を解く人もあまりいないと思う。現代は凄い!ウィルスの存在どころかその変異や抗体まで分かると、見えない災いを神頼みする人も減っていくのか?
あけましておめでとう御座います。本年も宜しくお願いします。厄払いをかねてナマハゲの写真を載せました。オセチに飽きたのでセリをいっぱいの秋田郷土料理キリタンポ鍋でもいただきたい。(勝田陶人舎・冨岡伸一)