花瓶

床の間に花を生けるのも我が家では私の役目だ。お花を頂いたりすると、適当な花瓶を納戸から探し花を生けるのだが、先日「庭の植木」だけで生けてみた。家の庭は数年前に手入れが大変と、殆どの木を抜いてしまった。今は樹齢80年位の細い葉の紅葉だけしかない。それで塀越しに伸びたお隣さんの椿と南天の枝を拝借して、どうにか格好を付けてみた。

この花瓶は20年前に笠間の陶芸市で買いもとめたもので、高橋春夫さんの作品。高橋さんは当時は年も若くまだ無名であったが、現在はご活躍のようだ。鉄分の多い粘土を使用して、上部は轆轤成形の状態を残し、下に行くほど徐々に削りを深くし糸尻の部分は、8角にカットしている。濃い目の白化粧のかかりもよく、私の好きな花瓶の一つである。

最近は日本でも欧米のように花を飾るというと、綺麗な花の咲いた草花が多くなった。華道のように花木を生けて、全体のバランスをとるために花のない枯れ枝までアクセントに使うなどいう手法は欧米にはない。

やはりこれも自然観の違いか、日本人は昔から綺麗な花を見るのではなく、花瓶に生けてある木や花で表現された自然の投影を眺めていて、その状態が美しいかどうかを判断していた。

これはフラワーアレンジと華道との違い。フラワーアレンジはテーブルに置いて四方から見る。華道は三方仕切られた床の間の正面から眺める。見ると眺める日本語は難しい。

ところで最近の新築住宅は床の間を作らないという。だから掛け軸が売れない。華道も習う人が減っている。池坊保子さん相撲界の事などに口出しせず、旦那と共に華道の普及にもっと尽力してほしい。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)

 

 

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