先日、近くに新しく出来たラーメン屋に入った。豚骨スープのラーメンを頼んだら生卵を一個サービスで付けるという。「へー、生卵がサービスか?」そういえばタマゴの値段は昭和の二十年代の子供の頃とあまり変わらない。当時でもタマゴが一個15円していたが、今でも値段の幅はあるがスーパーで買うと15円位のものもあるという。むかし毎日のように通っていた、近くの駄菓子屋にもタマゴが売っていて、母親にたのまれてよくお使いに行った。おばさんにタマゴ三個と告げると、籾殻の入った木の箱からタマゴを取り出し、新聞紙を切った袋に入れてくれる。壊さないようにそっと持ち帰るのは結構神経を使った。
当時のタマゴは外側の殻に鶏の糞の痕跡などがあったが、今のタマゴは実に綺麗だ!よく洗浄しているのか全く汚れてない。タマゴ殻の色も真っ白か茶色で、色も統一されていて美しい。これって着色されているのか?疑問に思うこともある。昔のタマゴは一個一個微妙に色が違っていたような気がするが気のせいか?鶏も放し飼いなので食べる餌も鶏の個性で微妙に違うのかもしれなかった。オンドリも一緒に飼うのでほとんどが有精卵である。そのためタマゴを割ると時々ヒヨコになりかけのヒナの死体や血の混ざったタマゴもあったりして、急いで取替えに走ったこともある。
近所ではタマゴを食べるために鶏を飼っている家も多かった。隣の家も鶏を飼っていて、うちの庭でタマゴを産むこともある。そうするとその様子を見ていた隣のおばさんが、タマゴを返してくれと垣根越しに申し出る。私はいつもそれを渋々返すが「このタマゴ、我が家の庭で生んだのだから、本当はうちのものでしょう」だって先ほどから我が家の庭でミミズなどをついばんでいた。「卵かえすから、ミミズ返してよ、おばさん」言いたいところだが、「はい」と卵を手に取りおばさんに手渡す。樹木でも隣との所有権は地面以下の根などは我が家の権利で、空中の枝は隣の権利だと言うが、「我が家で産み落とされたタマゴはどちらのものか?」四角い二鶴にきいてみたい!ちなみにタマゴは窪みに産み落とされ地面以下である。
タマゴの色は大きく分けて赤タマゴと白タマゴがあるが、これは卵を産む鶏の品種によるそうで、栄養素的には余り変わらないという。
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)