ススキ
我々が小学生のころ習った社会科の授業では日本の人口密度はオランダ、韓国についで世界三位!このまま人口が増え続けつると、食糧不足になり大変だと先生の説明があったのを憶えている。それにより戦後は避妊教育や産児制限、優生保護法の施行など人口抑制が奨励された。江戸時代は日本の人口増減は余り無く、三千万人ほどで安定的に推移している。貿易もせず鎖国状態で生活するにはこの数の人口が適切であったのだろうか?明治以降は欧米の列強に追いつけ追い越せという富国強兵論で(生めよ育てよの号令のもと)子沢山が奨励されて人口はどんどん増える。そして日本の領土ではこの人口を賄えないので、満州など大陸に進出し大戦の引き金を引くことになった。
「うちの子結婚しないのよね。誰か良い人いないかしら!」今の時代同世代の何人か寄れば必ずこの話が出る。国の政策通り事が進んで半世紀以上経ったころやっと人口が減り始まると、今度は人口減少にどう歯止めをかけるのか?議論され妊活や不妊手術という変な現象まで生まれてきている。(真に勝手なもんだ、物事そんな計算通りには行かない)実際にもし若い人がどんどん子供を作り人口が増えたら、その方がずっと将来困るはず。私は歓迎すべき現象であると思うのだが、国は右肩上がりでないと国力が衰えるという。人口が減って土地が安くなり、一人当たりの使用面積が増えて広く住みやすい環境になれば、どこかで反転して人口はまた増える。
今の若い女性は結婚願望が薄い。自分の欲求を優先すると女性にとっては家庭を持つことは負担増でしかなく、一時的に自己実現の可能性が殆ど削がれる。そのため目的意識の強い人は家庭を持つことにメリットを感じない。最近の若い男性は子育てにも積極的に参加しているが、女性も働かないと家計のやりくりが難しく、結果的には女性の負担軽減には繋がっていないのが現状だ!昔ヨーロッパで出会った日本人の青年で、イスラエルのキブツ(集団農場)で数年生活した経験を聞いたことがある。そこでは基本子供が生まれると施設で育だて、親とは頻繁に面会するが一緒に住まないといっていた。子供は社会が育てるという考えもあり、これなら女性も楽そうだ!
世の中の価値観は時代と共に常に変わる。男女や家庭のあり方も例外ではないらしい・・・。わが家の庭で好きなススキをプランタに植え育てている。ススキの穂が微風でたなびく様子をボーっと眺めていると心が和む。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎。冨岡伸一)