「冷蔵庫にシベリヤが入っているわよ」という妻の声に促されて扉を開けると、「あれー、これがシベリヤか?」見るとシベリヤがロール状になっている。子供のころ良く食べたヤマザキのシベリヤは、確かカステラと羊羹のサンドウィッチ状で、四角か三角に切ってあったと思う。初めて目にするその形にまずは戸惑うも、封を切り久しぶりに一口噛み締めると、子供の頃の記憶がよみがえった。当時シベリヤは庶民にとってはまだ高級品で、来客時に供される程度であった。カステラと羊羹の組み合せであるシベリヤ作りには手間がかかるようで、販売するパン屋は地元市川ではヤマザキぐらいであった。そのヤマザキでも各種菓子パンと違い、シベリヤは一段格上でガラスケースの中に収められていた。「
でもこの菓子のシベリヤという名の由来はなんだろう?そこで調べて見ると起源は大正時代で日露戦争にちなんだらしい。平行にどこまでも走るシベリヤ鉄道線路のイメージと、シベリヤ大地の永久凍土と表土の層に見立てたなど諸説あるらしい。その頃はまだカステラも羊羹も菓子としては高級品で人気があり、旨いこの二つを重ねて同時に食べたいという発想も当然わく、確かにシベリヤを最初に考案した人は相当グルメだったに相違ない。その他アンコとカステラとの組み合わせで、シベリヤに良く似た菓子にドラヤキがある。ドラヤキはウサギ屋など今だに人気継続中だ。ではどちらが先に考案されたのか調べてみると、ドラヤキは約800年も前からあるそうで、源義経一行が奥州に逃れる際に立ち寄った民家で食したという記述もあるという。
好き物を同時に食べたいという欲張りな思いは誰にもあると思う。私も若いころ食堂に入りメニューを眺めてカツにしようか?カレーにしようか?迷うことがあった。自分がカツをオーダー、すると連れがカレーライスを注文!そして運ばれてきた皿を比較して「ああやっぱり、俺もカレーにすればよかった」どういうわけか相手の皿の方が旨そうにみえるのだ。でもこんな時そんな迷い人のために最近カツカレーなどのメニューがある。ところが歳を重ねと徐々に小食になるり、好きな物のダブルメニューが完食できない。そこでカツカレーをご飯少なめでオーダーするが、それでも量が多い。残すのもモッタイナイので最近ではカツの量まで半分で注文する。
団塊世代も70を過ぎシニア世代が爆発的に増える。量は半分で価格は7割そんなシニアメニューが出来ればうれしい。(勝田陶人舎・冨岡伸一)
私にとって「シベリア」というお菓子は、子供の頃、来客の手土産品として頂いた時、親に連れられ親戚宅を訪問した時に食べたくらいの高級品でした。
さて、つかぬ質問ですが冨岡さんはこし餡派ですかそれともつぶ餡派ですか。秋彼岸に付き物のおはぎではよく聞かれる質問です。和菓子の材料としては、こし餡の方がつぶ餡よりひと手間・ふた手間かかるため優勢のようですが、私は、どら焼きはつぶ餡、最中は最中種によりますがおはぎとともにこし餡が好きです。要は「餡はどちらも大好き」で結論を出すことができません。
70歳以上限定で量は半分、価格は70パーセントの「シニアランチ」。量を減らし質(バリュー)の向上をすることは、今どきのシニア世代に対するマーケティング志向としてよろしいのではありませんか。
そうですねえ、私はどちらかというとコシ餡派です。かつてオハギを自分で作ったことがあり、その時にもコシ餡を使用しました。小豆を柔らかくユデて布巾に取り、水の中で絞り上げると細かい小豆の粒子が布巾を通して浸み出して来ます。それをしばらく置くと餡の粉末が底に沈殿してきます。それを砂糖で煮ればコシ餡の出来上がり。まあそこそこ手間がかかりますが餡はコシ餡にかぎります。羊羹も虎屋の羊羹のようにアンコの密度の高いものより、夏場冷やして食べる水羊羹のように寒天の多い柔らかい方が好みです。もしいま自分が若かったらこれからの職業選択は非常に難しい。ロボットにできない季節感のある和菓子職人なども一考するでしょう。ニューヨークで高級創作和菓子店を開くのも面白いかも?シニアランチといえば飲食店のサービスが若い人向けで、大盛りなど量の多さを競うのは残念です。