キャンサー

最近の医療技術の進歩は目覚しい!特に癌等の外科手術は十年ほど前とは隔世の感があると思う。そこでたまたま自分が初期の大腸がんとの診断を受け、先月国立がんセンターでオペを受けた印象を少し話してみたい。入院から二日目の朝9時になるとその日手術を受ける患者が15,6人集められる。そしてそれぞれが各手術室に誘導され一斉に手術が行なわれるわけだが、この手術室が凄い!L字型に手術ブースが8部屋ずつ並び、それぞれの疾患によて各手術室に7,8人のドクターと看護士のチームが編成されている。すると私はその中の一つのブースの手術台へと誘導された。自動扉が開き入った瞬間びっくり仰天!まるでこの世のものとは思えないその光景に思わずたじろいだ。

「UFOに興味を抱き、彼らを追跡しているうちにどうやらエイリアンに捕まって宇宙船の中に拉致された。どうもこれから私の人体実験が開始するらしい。手足を縛られ動けず後悔してももう後の祭りだ!」などとその瞬間夢想した。十年前までは高額医療適用であった、私の受けた腹腔鏡手術の手術台は凄い。手術台そのものが大規模な一つの医療用ロボット。大きな反射鏡がいくつも私の体を照らし異常に眩しい。医師達は直接私の体に触れず全てモニターーでロボットアームを操作し手術を行なうという。てもその前に全身麻酔を打たれた私は作業工程など知る由も無い。ポンポンと頬を叩かれ終わりましたの声で目が覚めた。この間4時間程でほっと溜息をつく・・・。

医師の説明によるとこの腹腔鏡手術の作業工程はこうだ。まず4本のカメラ付きロボットアームを腹部に差込み炭酸ガスを注入、腹を膨らませ空間を作る。開腹などにより、内臓は酸素に触れるとダメージが増すという。出来るたけ酸素に触れないことが肝心らしい。そしてコンピューターのデーター通りにミリ単位の狂いもなく大腸の切除と接合が行なわれる。そして最後に臍にそって5センチの穴を開け、切除した患部の大腸を取り出すという。腹腔鏡の手術は術後のダメージが開腹より各段に少なく、二週間もすれば痛みも殆んど消えていた。癌治療は何しろ早期発見が肝心である。今回私は市川市の年一回の健康診断での大腸がん発見でしたが、多少バカにしていたこの検査で救われた。

癌は今や2人に1人がなる国民病。癌センターなどでは毎日2、30人の手術が行なわれている。初期では自覚症状がないのがこの病の特徴。定期検査を欠かさずに!(写真・築地癌センター病棟からの夜景。術後につきしばらくはブログの発信がランダムになります。勝田陶人舎・冨岡伸一)

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