茶飲み話・リニア

 

先日、静岡県の川勝知事が四月から採用になる県職員の入所式の祝辞で、肉体労働や単純労働者を下に見る差別発言をし批判を浴びた。日本人はもともと「職業に貴賤はない」と考える人が殆どで、彼の上から目線のこの発言に多くの人が立腹し、マスコミを通じて辞任要求まで出た。その結果彼は自らの判断で辞表を提出することになる。

でも彼の問題はその言動だけでなく長年リニア新幹線に反対し続け、開業を妨害したことにある。そのためリニア新幹線の開業は大幅に遅れ、27年開業予定が30年代ずれ込む結果を招いている。たった6キロ程度の静岡県の通過をいろいろ難癖をつけ許可せず、ボウリングによる地質調査さえ阻むその行為はまさに国賊に値する暴挙と言える。彼のような思慮分別のない人物を長年知事に据え置く静岡県民の民度も疑うばかりである。

しかし彼の背後には静岡県財界の存在が見え隠れする。特に浜松に拠点を置くスズキ自動車の社長らは、静岡県に一つの駅も無いリニアが出来れば県の発展を阻害するだけで、メリットなど全くないとの主張をしてきた。日本を代表する財界人とも思えないこの言動にはあきれる。リニアの大幅な遅れは中国などの追随を許し、せっかく積み上げてきた日本独自の技術が無駄になる結果を招く。

私自身はどちらかと言うと超高速鉄道リニアの必要性などあまり感じないが、超電導リニアの技術は他の分野にも応用できる未来のサイエンスなので、日本の発展には非常に需要だと思っている。最近我が国は一時ほどの技術的優越性がうすれ衰退していく過程にあるようだ。資源のない日本は技術立国として生き延びるしか道はない。

「さあ、皆さん、新緑の美しい日本にイラッシャイ!」と誘っても観光産業など所詮経済効果はたいしてない。やはり大切なのは自動車、船舶、航空機などのインダストリアル産業の発展こそ日本の目指す分野だ。本当は半導体やAIと言いたいところだが、この分野はすでにアメリカに牛耳られている・・・。(リニアの開業を遅れは、ランニングコストが跳ね上がり、運賃が高くなる。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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