先月行なわれた新天皇陛下即位の礼で私が経験した、摩訶不思議な光景をはなしてみよう。即位礼が行なわれた当日、東京は朝から雨でそれもかなり雨脚の強い本降りであった。この日たまたま皇居に近い築地の癌センターの15階に入院していた私は、手術を受けた直後でベットに伏してテレビ中継の即位礼を拝見していた。天皇陛下もお気の毒にと一向にやむ気配の無い天を仰ぎ見ていると、なんと即位礼の始まる10分前に突然厚い雨雲が割れて、強い陽光が皇居周辺を照らしだしたのだ!「何だこの天気」びっくり仰天、立ち上がり15階の窓から関東平野を見回せど、雲の切れ目は皇居周辺のごく限られた部分だけであった。そしてそれから30分もたつと、空はまた何事もなかったように雨雲に再び覆われたのである。「本当にこんなことがあるのか?やはり神国日本だ。」たぶん外国からの来賓もさぞ驚かれたに相違ない。
皇室をいただいて約2600年、この間天皇と国民は親子のような深い絆でこの国を継承してきた。天皇は国民の安寧を願い、国民は天皇を慕う。途中何度かこの関係が崩れそうになった時もあったが、武家が政権をになっても皇室が消えることなく現在まで堅持されている・・・。今世界では日本で長く行なわれてきたシラス統治(長くなるのでネットで検索を)に注目する人が増えてきている。それぞれの時代でその強弱(ウシハク統治)はあるが、日本では権威の象徴である天皇とオオミタカラといわれる国民は、常に一体であり強い絆で結ばれてきた。政治は天皇に任命された時の権力者にゆだねてきたので、日本では権力者に完全に人権剥奪される、奴隷という人たちがいなかった珍しい国なのである。
いまの世界各国では権力を思いのままに弾圧する治世者の横暴がまかり通る。中国では共産党と習近平による独裁国家で人権剥奪は日常茶飯事、何か批判したら直ぐに抹殺される。北朝鮮ではもっとひどく人権のかけらもない。南米、アジア、アフリカ、中東、ロシアなどの国々もこの傾向が強く、選挙はあっても不正が横行し民主主義とは名ばかりで、人権が守られている国などごく少数である。とりあえず選挙で選ばれ元首になると、だれもが自分の地位を堅固にするために権力を振りかざし、反勢力を弾圧して人権侵害の恐怖政治を行なうようになる。これは古今東西人間のサガといってよい。しからば日本のように国家元首は代々天皇陛下ときめておけば、この座を巡って争うこともなく太平の世が続く!
今の日本はおそらく国民の人権が保障された世界一住み易い国であろう。それは天皇陛下をいただいたシラス統治にあるということを、国民一人一人がもっと自覚する必要があるのではないだろうか。(勝田陶人舎・冨岡伸一)