投資

「2022、投資を高校で学ぶ時代が到来!」というニュースを読んだ。なんでも学習指導要綱の改定により、高校生に株式投資などの重要性を認識させる教育を、遅らばせながら日本でも始めるらしい。アメリカでは庶民が株式投資を行い、その収益でゆとりある年金生活を送っており、日本もそれに習うべきだ!とう声に押されたらしい。

でも日本人の庶民が株式投資などを避けるようになったのは、最近の2、30年間だと思う。その前の高度成長期には庶民も不動産や株式に投資し、利益を上げていた人も多くいたのだ。しかしあのバブル崩壊により、多くの庶民が損失をだし「投資は怖い」という考えが定着し、二度と株式投資などしないという人が増えていった。

アメリカにはバークシャー・ハザウェーという投資会社を運営するウォーレン・バフェットという著名な投資家がいる。彼は小学生の頃からお小遣いやアルバトでためた貯金で、株式を買い幾度かの失敗もあったが、その後に大きな財をなしていった。今では10兆円以上の個人資産を持ち、世界でも10指に入る大金持ちである。でも彼は毎年慈善事業に多額の寄付をし、人々の尊敬を集めている。また彼のその生活ぶりは常に質素であまり広くない古い家に住み、食事はマックとコーラでも充分だともいう。

これから若い人の人生設計は難しい。テクノロジーの進歩は旧来型の職業を淘汰し、デジタル化の波はコロナでより加速している。今は良いと思う職業も5年先は分からない。常に新たな情報を取り入れ、自分自身も変化し続ける努力をしないと、直ぐにオワコンになり失職する。そこで自ら時代についていけない落ちこぼれた若者は、自分があこがれる先端産業の会社の株式を買い、株主になるという選択肢もあるよ!と国が暗示しているようにも思える。

あと10年もすると世の中から単純作業のルーティンワークが消えていく。すると大半の凡庸な人たちは失業することになる。でも贅沢を望まなければ政府からの最低限の補助金で遊んで暮らせる時代が来るはずだ。でも金のない年金生活と同様に「活かさず殺さず」その生活は面白くも、おかしくもない。(上手く投資すればグイノミが抹茶碗になることも?勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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