茶飲み話・出前

「ああ、腹減った。もう40分になるよ」。私の声に押され、母親が中華そば屋に催促電話のダイアルを回す。すると帰ってくる返事はいつも「今やってます」の決まり文句だった。これを当時は通称「蕎麦屋の出前」といい、言い訳の典型とされた。私が子供の頃は飲食店のほとんが店舗より、出前で売り上げを稼いでいた。ラーメンまでも出前で頼んでいたので、届く頃には麺が延びたが別段気にすることも無く、すきっ腹なので喜んで柔麺をすすった。

出前の配達と言えばなんといっても蕎麦屋に極まる。モリ蕎麦を30人分とか飯台に積み重ね、肩に乗せ手で支えながらの自転車片手ハンドルは、まるで曲芸師そのものであった。凄いなこの人!すれ違うその様にいつか落とさないかと心配したが、ほとんど下に散らばったモリ蕎麦など目にすることは無かった。

いまは出前よりもテイクアウトの時代である。このコロナ禍で殆んどの飲食店がテイクアウト導入にふみきる。町内のよく行く創作居酒屋でもテイクアウトを始めたので、何回か受け取りに出向いたが、自宅飲みは酒代が原価なので安上がりでよい。私は酒と肴、どちらかというと酒好きなので酒代のほうが高くつくことが多い。でも店側は肴よりも酒で利益が出るので、酒の売り上げがない営業では儲けも少ない。

話は変わるが、先日流行のウーバーイーツの配達人とそれを受け取った客が口論し、配達員が客をスタンガンで打って怪我をさせるという事件がおこった。因果関係はよく分からないが、怒った客に肩をつかまれたのでスタンガンを取り出し打ったという。事前にスタンガンまで忍ばせ、身元の怪しい若者に料理を運んでもらうのも心配を伴う。配達はやはり信頼のおけるその店の看板を背負った、従業員であるべきだ。食べ物だけに見ず知らずの配達は、異物を混入されるなど疑えばきりが無い。

いまウーバーイーツの配達員の中に、不法滞在のベトナム人が多く紛れているというのが問題になっている。人手不足からろくに身元確認もせずに雇用しているらしい。このコロナ禍では自国に帰りたくても簡単に帰れないのかもしれないが、外国人の不法滞在で治安が乱れるのも日本人としては気になるところだ。(青磁の茶碗を掲載してみた。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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