茶飲み話・オンラインツアー

長引く感染症の収束もなんとなく先が見えてきたが、航空業界や旅行業界にあたえた損失は大きい。最近あのJALが自社ビルを売却し、続いてトラベル会社のJTBやHISも相次いで本社ビルを売りに出し、大幅な赤字返済にあてた。我々が青春時代にあこがれの就職先にひとつでもあったJTBも、半世紀以上も経過すると衰退産業の仲間入りとは、企業の栄枯盛衰をかんじる。

最近オンラインツアーというのが流行らしい。まだ海外旅行などが規制されているさなか、アフリカなどに滞在するツアーガイドが旅行者の代わりにライオンの住むサバンナなどに出かけ、現地を案内して回る。参加者は自宅にいながら冷たいハイボール片手にズームで結ばれ、おっかなびっくり旅行気分に浸れる。参加費は数千円だというので人気があるという。でもあまり人の行かない危険地域が好まれるというので、ガイドする人も大変だ。

「これっていったい何のためにあるのだ?」部屋のすみある白い陶磁器製の便器のような桶を眺めて思案した。シンクのように蛇口も二つ付いているので、たぶん洗濯桶なのだろうと思い私は洗濯に使った。実際にこれは下の部分を洗うビデ桶であると知ったのは大分後の事である。フランス人はあまり体を洗わないので、日常はこれですますと聞いた。

モンマルトルの丘を正面に見ると、左手の方向にはアラブ人の多く居住する地域がある。当時まだ23歳だった私はあこがれのパリへと旅立ったのだ。そして金がないので、パリの滞在中に選んだのが下層民の住む安宿であった。道路には職にあぶれたアラブ人がたむろし、鋭いまなざしでこちらを眺める。でもそのころ日本人を始め東洋人などみな貧しかったので、貧乏スタイルの私に金品を要求したら、「タバコくれねえか」と逆に返せばよい程度の乗りでどこにでも行った。

怖いもの知らずであったあの頃なら、オンラインツアーガイド私も魅力に感じたと思う。当時ヨーロッパを旅すると冒険好きの日本人の若者と度々出合った。その中の一人がイスラエルのキブツ(集団農場)から戻ってきたという。そこは天国のようなところで三食付いて給料ももらえる。恋愛は自由で外国人も受け入れてくれるという話を聞いた。心を動かされたが「でも戦争が始まったら兵役があるかも」というのであきらめた・・・。(あの時キブツに行ってれば日系ユダヤ人だったかも?勝田陶人舎・冨岡伸一)

“茶飲み話・オンラインツアー” への2件の返信

  1. かつての「企業30年説」を乗り越えたのに半世紀以上も経過し衰退産業の仲間入りとは、企業の栄枯盛衰を感じます。
     先頃、中国政府からの銀行口座・家屋の使用差し止め、子供の就学停止などの厳しい締め付けで、東南アジアからなんと約5万人の中国人詐欺集団が自ら帰国しているニュースを見た。ネット上で巧妙に人間の欲望を刺激した多種多様な詐欺をしていたらしい。
     中には、低料金で恋人紹介”ラブラブ詐欺”…打ち解けたら「貴方に会いたいので旅費を送金して!」の手口もあるそうです。信じやすい優しい日本人は、特に注意です。

    1. 中国人の我欲の強さにも困ったものです。もし世界が中国スタンダードになったら、生きにくい世の中になるのでしょうね。むかしある先輩に「人間ずるくないと人のずるさが分からない」と言われたことがありました。確かの彼らはあらゆる状況に罠を仕掛けてきます。正直が美徳の日本人には彼らの手の込んだトラップなどほとんど分からずに単純にひっかかる。
      改革開放で中国に進出した企業も騙されて殆んどが身包み剥がされて撤退していった。いよいよ米中のデッカップリングも進行し、生き残った一部の企業も撤退を余儀なくされている。でも一度彼らの罠にはまると足抜けは容易でない。カエルの楽園に安住する日本人には隣国欲望集団のずるさが全く分からずにいる。しかし彼らのずるさを理解するには日本人も狡猾にならねばとすると、望むところではないですよね。なんとか「カエルの楽園」維持したいものです。

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