茶飲み話・ゲノム

 

「あと数年もすると、1万年前に絶滅したはずのマンモスを復活させられる!」という研究が現在進行形だ。マンモスは現存するアジア像と遺伝子が95パーセント同じで、残り5パーセントを編集し直せば再生できるらしい。いまゲノム遺伝子編集技術が爆速で進行し、生命を根源的に作り変えようとしている。我々がなんとなく日常を過ごしているうちに、時代はとんでもない方向に進んでいる。

さいきん回転寿司の真鯛のほとんどが、ゲノム編集された「太っちょ養殖真鯛」だということをあなたは知ってましたか?ゲノム編集は遺伝子組み換えと違って、人工的に突然変異を作りだす技術なので、食品表示をする必要がないらしい。一方遺伝子組み換えは他の生物の遺伝子を取り込むので人体に有害かも知れず、表示義務があるという。倍速で成長する「養殖トラフグ」などもすでに市場に出回る。

「受信料まで払ってNHKなど見る価値あるのか?」となかばバカにしていたNHKだが、最近の日曜夜に放映される「ヒューマニエンス」というサイエンス系の番組は非常に勉強になる。通常庶民からかけ離れたところで展開される、先端技術などはなかなか情報として伝わってこない。それを海外の実験室まで入り込み、取材する行動力は評価にあたいする。

しかしゲノム編集が人体に用いられるようになると、難病や癌の治療などには有益だが、人工的に天才や秀才も誕生させることができるそうで、倫理的にもいろいろと問題が広がる・・・。私の予感では5年後に「オルタナティブ・二者択一」が待っている。それは先端医療を受け入れ、身体を刷新し120歳まで生きるか?あるいは昭和とともに穏やかな思い出を胸に天寿をまっとうするかだ。

これはあくまで推測だが、今の熟年はこれからやってくる未来列車に乗れる最初の世代であり、またネオ・サピエンス新人類の一期生になるかも?そこでどちらを選択するのか心の準備を始めたい。個人的には科学技術の進歩をこの目で見たいと想うので、私は未来列車に乗りたい。でも先のことはわからない。(神の領域に手を染めていく人類に、明るい未来はあるのか?勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

 

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