茶飲み話・アレクサ

 

「へー、インコがねえ。そんなことするのですか!」とは先日、私の工房で話題になったニュースである。なんでも頭が良くておしゃべりな大型のインコが、飼い主の留守中に「アレクサ」に話しかけ勝手にネット注文をしちゃったというのだ。身に覚えのない宅配の到着に飼い主も戸惑ったという。以前にも別のインコが主人の不在中に勝手にアレクサに話しかけ、音楽を楽しんでいたという話もある。

「アレクサ」とはアマゾンのスマートスピーカー「アマゾンエコー」である。話しかけるだけで、様々なリモコン操作が簡単に行なえるクラウドベースの音声サービスです。家庭内にあるすべての家電などとつながり、エアコンや冷蔵庫の温度管理、テレビや音響機器のボリューム、それにネットとつながり足りなくなった冷蔵庫の食料や、飲料の発注まで勝手に行なってくれるスグレモノである。

このサービスを利用すれば人はゆっくりとソファーでくつろぎ、面倒な日常から開放される。若い人の利用はいかがなものかと感じるが、身障者やお年寄りには福音となることも確かである。インコとアレクサの共謀による笑い話も悪くないが、このまま世の中が進化し続けると背筋が寒くなる未来を予感する思いもある。

インコといえば、私の子供の頃はペットとして鳥を飼う事がはやった。まず大型のニワトリ、鳩からはじまり、九官鳥やインコ。小鳥のジュウシマツ、カナリヤ、文鳥、などは多くの家庭で飼われていた。特にカナリヤは美しい声で鳴くのでとても人気があった。でも今は小鳥を飼う人などあまり聞いたことが無い。

「なぜ日本人は鳥をペットとして飼わなくなったのか?」その理由をネット検索してみると、小鳥の値段が高くなったから。鳥インフルにかかることがあるから。またはマンション住まいだからとか様々だが、私はほかにいろいろ楽しみが増えて、ペットの世話をする時間的な余裕がなくなったからではと想っている。(これからのペットはアイボなどのロボット犬やアレクサ内蔵のロボット猫でしょう、知らんけど!勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

© 2024 冨岡陶芸工房 勝田陶人舎