茶飲み話・なめろう

 

わが千葉県の房総には「なめろう」という郷土料理がある。新鮮な鰺を三枚に下ろし、包丁で細かく叩いて味噌などであえていただく漁師のマカナイである。館山方面に向かい地元の食堂で刺身定食などをたのむと、必ず小鉢に入った「なめろう」が添えられている。とりたてて美味いものではないが、日本酒のつまみなどにはわるくない。

ところで「ナメローとあだ名された例のスシロー、ペロペロ小僧!」最近テレビで再三放映され、そのつど不快な思いを感じるその映像に、隆盛をきわめた回転寿司の終焉も近いと予感する人も多いと思う。そもそも回転寿司は食品ロスも多く、食糧難が心配される今日においてサステナブルの立場からも、廃止されるべきビジネスモデルだと想う。

そもそも回転寿司は日本の高度成長期に登場し、デフレが長く続いた日本経済停滞の時代に安さを売りに出店が加速していった。それが気づいてみたら一皿百円の激安チェーン店まで現れ、店舗どうしでお互いに足の引っ張り合い、薄利にあえいでいる。とうぜん人件費も削られるので、従業員の目も届かず客の暴走行為に拍車をかけることになった。

「SNSにアップされる受け狙いの迷惑動画にも困ったもんだ!」今では誰でもが簡単にティック・トックなどネットショート動画に配信できる。そのためアクセス数を競うため、かなりヤバイ動画もアップされる。おもしろ半分に悪ふざけもエスカレートすると犯罪者の領域まで踏み入れ、高額の賠償請求を受ける結果となる。

そもそも昔、寿司は高額であった。カウンターに腰かけお好みで寿司を食えば、とんでもない額を請求されることもある。持ち金がたらず時計を置いて後日支払いに行ったという友人の話も聞いた。ところが回転寿司により高校生の小遣いでも寿司が食べられるようになると、今回のようにいろいろ問題もおきる。(一皿100円寿司と100ショップがはびこれば給料も上がらない。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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