茶飲み話・コオロギ

 

「コオロギ食への差別行為が横行、嫌なら食べなきゃいいだけなのに!」というスレが立っていた。虫を食べる文化もあるのに、近未来の食糧難に向けた取り組みを否定する不思議とある。タイでは屋台でコオロギの素揚げがスナックとして売られており、健康食という認識だ。それなのに昆虫を食べること、それもコオロギ食が日本では物議を醸している。

徳島大学のベンチャー企業からコオロギパウダーの提供を受け、コロッケにして給食で試食したところ、学校にクレームの電話や批判が相次いだという。「子供にどうして食べさせるのか」。「急にコオロギを推奨して、なんらかの思惑や利権を感じる」などと散々な批判が飛び交った。

でもここで良く考えてほしい。近未来食糧難は必ずやってくる。すると今の現役世代よりも子供達のほうがずっと昆虫食の必然は高い。だから今のうちからコオロギ食を体験し、慣れ親しんでおく必要があるのではないかと私は想うのだ。今の子供達はわれわれの世代と違って蜂の巣を叩き落し、幼虫などを食べないので昆虫食に対する耐性がない。

「いつまでもあると思うなトロや蒲焼」今の日本人は戦後の食糧難から徐々に開放され、ずいぶん贅沢になった。なにしろ吉野家の牛丼が低所得者の看板メニューになっているのだから恐れ入る。わたしの学生時代には新橋の駅前にあった吉野家にわざわざ牛丼喰いに行った記憶がある。その頃、牛丼の値段は安価ではなかったと記憶する。

「今晩、食材を買い忘れたから寿司屋に行こうか」の乗りでスシローなどの回転寿司に子連れでいく。中高生の小遣いでも気楽に寿司屋に行けるので店の風紀は乱れ、バカな舐めローもはばを利かす。でもこんな時代がいつまでも続く分けが無い・・・。(コオロギにお世話になる時代もきっとやって来る!勝田陶人舎・冨岡伸一)

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