引きこもり

感染症の流行も1年以上続くと、いい加減に飽きてくる。しかしワクチン接種も思うように進まず、収束がいつになるか予測できずにいる。日々かよう工房横、森の木々の芽吹きも完了し陽光を浴びて、眩しいくらいに緑の反射光が目に刺さる。でも再び発令された東京の緊急事態宣言により、このゴールデンウィークは旅行も出来ず、自宅待機を強いられる人が多そうである。これではサービス業の殆んどが赤字で、雇用カットによる失業者がまた増大する。

すぐには次の仕事が見つからず、しかたなくステイホームを強いられると待っているのは退屈しのぎに始める、各種ネットやテレビゲームなどのバーチャル・リアリティの世界である。若年層の引きこもりが問題となっていた昨今であるが、最近では働き盛りの引きこもりも増大しているという。解雇された一部の人々がステイホームのすえ、現実逃避として向かう先が仮想空間である。一度この領域に足を踏み入れると、もう現実社会になかなか戻れないこともある。怪しく光る映像の光を浴び続け、無意識のうちにその罠にはまると「もう仕事などどうでもよい。この世界こそ俺のリアルだ」と錯覚する。

「バーチャル・リアリティーの彼女」最近ではパソコンなど利用し、仮想空間に彼女を作るアプリなども色々あるらしい。自室にこもれば理想の彼女「未来ちゃん」もいるし、現実世界に彼女などを作ることもばからしい。という若者もいるのでは・・・。「未来ちゃんなら、俺の言うこと何でも聞いてくれるし、独身のほうが気楽で良い」。確かに今の女性は昔と違って自己主張も強いし面倒かも。でもその面倒を生きるのが「人生」なんだけどね。「人生など、面倒意外は何もありはしない」とは20歳の頃、冷めていた私の実感だった。

しかし考えてみると「仮想空間の彼女」など年をとり、誰にも相手にされなくなったら最高かも?確かに「未来ちゃん」にはパソコンなど映像に向かう相手が若者か、年寄りなのかに認識はない。すると体があまり動かなくなった老人でも、ピッカ、ピッカのヤングとして対応してくれる。ステイホームのすえ、歳を重ね自宅に引きこもったらピッチ、ピッチのギャルの未来ちゃんとラッブ・ラブ?

でもこの程度の事。もう数年もしたらあたりまえになると思う。仮想空間でもう一度理想の人生をやり直せる。これからは老人こそデジタルを過激に利用すべきだ。デジタル依存症になれば認知症にならないと確信。(アマリリスが大きな花をつけたので床の間に飾る。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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