コスモス

千葉県の北西部には、東京の上野駅から直線で成田空港まで結ぶ北総線と呼ばれる鉄道がある。およそ20年前に全線開通したこの路線は、バブル期の建設によりコスト高になった。そのため運賃が割高で沿線住民の負担になっている。空港に向かうこの電車を上野駅から乗り、程なく千葉県に入るとススキ野や芋畑などの田園風景が広がる。するとその北総台地の中ほどに、高層マンションが立ち並ぶ千葉ニュータウンという、開発中の新興住宅地が現れる。かつてこの駅の周辺では毎年秋になると、コスモス祭りという催し物が大々的に開催された。整備途中の造成予定地には沢山のコスモスの種がまかれ、遮る物のない大きな秋空と、コスモスの花々が風に揺れる様はなんとも趣があった。

ところでコスモスという花の名に以前から興味があった。コスモスとは宇宙という意味と重なる。そこで調べてみるとコスモスはメキシコ原産で、新大陸発見後スペイン人が観賞用としてヨーロッパに持ち帰り世界中にひろめたという。コスモスの花の名は美しいという意味のギリシャ語KOSMOSにちなんで名付けたらしい。このことから星が綺麗で美しい宇宙のことをコスモスと呼び、花びらが整然と並ぶこの花を見てコスモスと呼ぶようになったとか・・・。そういえば子供の頃コスモス占いという遊びがあった。花を一輪つまみ友だちとふざけて彼の好きな子の名を呼び「好き、嫌い、好き・・・」と花弁を一枚ずつむしって最後に残った花弁で騒ぎ立てた。コスモスの花弁の数は8枚!いつも一定なら何度試しても答えは同じだが、枚数が7や9の奇数のもある。

数年前に亡くなった、あの偉大な宇宙物理学者ホーキング博士が生前に中国に警鐘をならしていたことがある。「広大な宇宙(コスモス)に向かって人類の存在を示す、電波など絶対に発信し続けるな!」もし異星人がこれを傍受し、地球の存在を知らせると領土を奪いにくるかも?人類に例えても地球に似た星を見つけたら、その星に人類は入植することを考える。異星人とて同じだというのだ。高度に文明の発展した宇宙人が友好的なはずもなく、虫けらのように人類はあっという間に殲滅される・・・。このことはホーキング博士が宇宙人の存在を確信し、警戒心を抱いていたことになる。最近JAXAが月の内部には巨大な空洞があると発表したらしい。もしかしてここに宇宙人のコロニーがあるのでは?と勝手に解釈する人もいる。

いずれにしてもこれからの米中の覇権争いは、宇宙にまで行くかもしれない。最初に到達した星の場所がその国の領土になる、などという馬鹿げた主張など起こらなければ良い。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

“コスモス” への2件の返信

  1. コスモスと聞くと「秋桜」で、山口百恵の歌の出だしの一節を口ずさみます。我が家の庭ではキンモクセイが咲いています。今日は2019年9月17日、二十四節気の白露の次候にあたり、季節は仲秋。七十二候で:鶺鴒鳴(せきれいなく)の時期です。水辺で長い尾を揺らして歩くことから「石たたき」と呼ばれる、せきれいが鳴く。日本書記の国生み神話にて、イザナギとイザナミに尾を振る様子で男女の交わり方を教えたのがせきれいとのことで「恋教え鳥」ともいわれる。西洋文明・キリスト教の「性の倫理観」に縛られている現代人とはちょっとかけ離れた日本人の”おおらかさ”をそこに感じます。

    1. 金木犀ですか!確かに木犀の香りはを嗅ぐと秋の訪れを感じます。かつて八木さんのお住まいの通りを出たところ、駅に向かう通りには各戸に木犀の木が植えられていました。中央通りに出るまで、木犀の香りの途切れることがなく毎年楽しみにしていました。この通りを「木犀街道」と自ら名付けてこの名をつぶやいていましたが、一本減り二本減りといつのまにか殆んど消えました。それと共に古民家風の建物も新築され、どこにでもある家並みに変わった。住みやすさを優先し安全や機能を追及すると、どこの家並みも同じに!まあしょうがないですか・・・?仏教もそうですが経典などある宗教は神仏への忠誠心はおろか、人々の日常生活まで厳しく規定する。日本の神道などは経典がないので、自己の判断に委ねた。そこでいつも他者を洞察し、相手の立場になって行動するなど、和を尊ぶ高度な人間関係の構築が日本人には必要だったかもしれません。

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