焼酎

そろそろサクラの開花も近づき、春を感じる季節になって来た。桜と言えばお花見だ!桜の下に陣取り車座に酒と肴で宴会が始まる。どこにでもある日本の風物詩であるが、最近では以前より花見客の飲み方がおとなしい?あまりバカ騒ぎをしなくなってきているようだ。市川市にはサクラの名所が多い、市内を流れる真間川土手の両側には桜の古木が連なり観光スポットになっている。その他須和田公園や、国府台には江戸川べりに桜の名所里見公園がある。毎年サクラのシーズンになると沢山の花見客で賑わうこの公園は歴史も古く、昔から花見の宴などが多くおこなわれてきた。私が幼児の時に姉達に連れられてこの公園に花見にやって来た時の話で、今でも鮮明に記憶に残っている事がある。

「うちのお父ちゃん、お酒なんか飲まないよね!焼酎、ばっかりだよねー!」この突然の私の言葉を聴いた姉達が、あっけにとられて「あんた、なに言ってるのよ」私の手をグイグイ引いてその場から急いで立ち去ったのだ。私はその意味も分からずにいたが、帰宅すると長女が母にこう告げたのだ。「おかあさん、伸ちゃん恥ずかしくてやになっちゃう!」沢山の人のいる前で「お父ちゃん焼酎、ばっかりだよねーて、大きな声で言うのよ、恥ずかしくてさあ」それを聞いて一同大笑い。私にはなんのことかさっぱり分からずにいたが、良く説明を聞くとお酒も焼酎も同じオサケで、焼酎の方が値段が安く大衆的で、昭和も二十年代の頃は日本酒は高く親父は通常晩酌に焼酎を飲んでいたのだ。

焼酎がお酒だと知らなかった私はサクラの下で車座になって、酔っ払ってバカ騒ぎしている人達を見て非常に嫌悪感を感じていた。(父親は焼酎は飲んでいたが乱れた姿など見たことがなかった)それでお酒を飲むと大人があのように取り乱すのか?お酒を飲むのは人は最悪だ!うちのお父ちゃんは毎晩焼酎で、お酒を飲まずに良かったなあ、との思いがあってこの言葉が出た。また当時の酒は材料が悪いのか、作り方の問題かよく悪酔いした。私も日本酒は苦手で日本酒を煽ると翌朝大変な頭痛に襲われたが、最近では冷酒2合では別にすっきりと起きられる。酒が若いときよりも強くなったとも思えないので、原因はよく分からない。

写真はサクラの大皿で16年程前、千葉県展に初入選したものです。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)

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