焼きオニギリ

自宅から5、6キロほどの距離のところに中山競馬場がある。ここには小学校の歩き遠足や自転車でもよく遊びに行った。当時は開催日以外は自由に中に入れたので広い場内は格好の遊び場であった。トラックの内側は芝生が植えられ、手入れが届き綺麗だった。遊びつかれて青々とした芝生に寝転んでいると、気持ちが良い。遮るものが全くない五月の快晴の空をじっと見ていたが・・・。「やばい!」思わず手で草を握り締める。急に空の中へどこまでも落ちて行きそうな錯覚に襲われた。「飯食うか?」突然、友だちが視界に入る。ゆっくり起き上がるると、彼の母親が持たせてくれた醤油の浸みた焼きオニギリを一つ貰い食べたが、広々とした空間で食べるオニギリ味はとても旨く感じた。

「キ、キ、キー!」ブレーキ音の後。「バリー、ガチャン!」後から坂を下る友達の自転車が突っ込んだ・・・!その帰り道、中山は坂が多い。当時は車も少なく皆で自転車で坂を駆け下る競争をする。すると友達の一人がカーブを曲がりきれず古い割り竹の垣根を突き破り、その家の縁側の先まで突進した。「あれー、どうした?」心配して止まって振り返ると「すいません!」と詫び、友だちが自転車を引きずり急いで、2メートルくらいポッカリ開いた垣根の穴から、すぐに飛び出してきた。「まずい、逃げろ!」一目散に逃げ帰えったがまるで漫画だった。思い出すと今でもふきだしてしまう。

しかし友だちの自転車は塀にぶつかった衝撃で、ハンドルが硬くなってしまったが、塀がブロックなどだったら本人が大怪我をしていたに相違ない!塀を壊されびっくりする家主の顔を想像するとおかしいが、我々の世代の男の子はみな逃げ足が早かった。喧嘩、悪戯も日常茶飯事、いつも生傷が耐えない。そのたびに真っ赤な赤チンを塗られる。私もいつも赤チンを塗っていたので、私は赤チンしか効かない体になってしまったらしい?いまだに透明なマーキロでは効きが悪く、なかなか化膿が止まらない。でもあの赤チンなぜなくなったのか?水銀が入っているから製造禁止になったという噂だが、あれは本当なのであろうか?

赤チンすなわちマーキュロクロム液は有機水銀剤の水溶液であるという。2019年についに全面製造禁止となるそうだ。

(千葉県八千代市勝田台。勝田陶人舎)

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